タルタロス・ドリーム デス編5


プリンスは、いつもと変わらずデスと共に過ごし、SISTERに明け暮れる。
一日が確実に過ぎ去ってゆき、ここでの学園生活が終わりに近づく。
1、2年生は進級するだけだからいいものの、3年生はそうもいかない。
そして、とうとう卒業式の日がやってきた。
生徒は体育館に集まり、喜ぶ者もいれば涙ぐむ者もいる。
プリンスには、特に変わった様子はなかったけれど、胸の内では一大決心をしていた。


卒業式が終わり、生徒も帰り、夕日が教室を照らす。
そこには、まだ二人の生徒が残っていた。
最初は適当にだべっていたけれど、だんだんと口数が少なくなる。
プリンスは決心したことを言おうと思っていたけれど、いざとなると言葉が出ない。
話題がなくなっても、名頃を惜しむように、お互いなかなか外へは出なかった。

「・・・なあ、プリンス。もう、オレ達会えなくなっちまうのかな・・・」
デスの声はいつになく不安げで、弱弱しい。
「別に、家の場所は変わらないんだし、会おうと思えばいつでも会えるだろ?」
「さあ、どうだかな。新しい生活が始まるんだ、そんな保証なんてどこにもねーなー」
その口調があまりに嫌味ったらしいので、プリンスは眉根を寄せた。

「おい、デス、そんな言いぐさは・・・」
文句を言おうとしたところで、プリンスは言葉を止める。
デスの目は潤んでいて、目尻から涙が零れ落ちていた。
デスは、慌てて袖口で目を拭う。


「っ・・・オレ、もう帰るぜ、じゃあな・・・」
「デス、待てよ!」
まだ、重要なことを伝えられていない。
とっさにデスの腕を掴もうとしたが、慌てすぎて机にけつまづいた。
思い切り床に倒れたプリンスを見て、デスは溜息をついて手を差し伸べる。
そのとき、プリンスはすぐに手を取って、自分の方へ強く引き寄せた。

「わっ、何すんだよ」
バランスを崩し、デスがプリンスの隣に倒れ込む。
お互いの距離が近くなったとたん、プリンスには一気に衝動が湧き上がってきた。
デスの背に腕を回し、逃れられないようにする。
そして、目の前にいるデスに身を寄せ、その唇に口付けた。

「っ・・・!?」
デスは目を見開き、必死にプリンスの肩を押す。
口が離れると、デスはプリンスを睨みつけた。
「な、何すんだ、変態!」
デスは腕から逃れようともがくけれど、逆にきつく抱かれる。
「オレ、デスから離れたくない。学校が変わっても、会わなくなるなんてこと絶対にない。だって・・・」
その先の言葉は、湧き上がってきた感情に乗って、自然と発された。


「オレ、何でデスと一緒にいたらこんなに楽しいのか、ずっと考えてた。
それで、わかったんだ。デスが好きなんだって」
「な・・・」
デスは口をぱくぱくとさせるが、何も言えない。
衝撃的な告白をされて、言葉を失っていた。

「だから・・・デスのいろんなとこに、触りたいって思ってる」
プリンスは少しの間黙り、デスの反応を見る。
拒否されるかと、そう思ったけれど、デスは腕を振りほどこうとしなかった。
プリンスは再び距離を詰め、デスの唇を塞ぐ。
今度は軽いものでは済ませず、本能のままに隙間へ舌を入り込ませた。

「っ・・・ぅ、ん・・・」
プリンスは、すぐにデスに舌で触れる。
柔らかな感触は、気を昂らせるのに充分だった。
たまらず絡ませると、お互いの唾液が混じり合う。
指を介してではなく、直接デスの液を飲み込んでみたくて仕方がなって
プリンスは一旦身を引いて、喉を鳴らした。

「は・・・っ、な、に、すんだ・・・」
デスの頬はだいぶ紅潮していて、肩で息をしている。
照れている様子を見るとたまらなくなって、プリンスはもう一度口付けを再開する。
開いたままのデスの中は温かく、触れているとどんどん高揚していく。
夢中になって舌を絡ませていると、デスの体から少しずつ力が抜けていった。
デスはまどろむように目を閉じ、自分からもやんわりとプリンスに触れるようになる。
無意識の内なのか、尻尾はプリンスを繋ぎ止めるよう、その背に回されていた。


お互いに息が荒くなるまで絡み合うと、プリンスがやっと離れる。
デスが顔を真っ赤にし、肩で息をしているとき、プリンスはデスの服を脱がし始めていた。
「っ・・・こ、この、変態・・・」
「変態でもいい。デスに触りたいんだ」
上半身の衣服をあっという間に脱がし、プリンスはデスの首元に唇を寄せる。
そこから、肩や胸元へと下りてゆき、胸部の起伏へ触れた。

「あっ・・・く、くすぐったいんだよ、この・・・っ」
「くすぐったいのか?」
プリンスは、デスの起伏をくわえて、軽く吸う。
いやらしい刺激にデスの体はびくりと跳ね、プリンスを興奮させた。
高揚感は抑えようがなくて、さらに身を下げてデスのズボンも、下着も脱がせていく。

「お、おい、やめろ・・・っ」
「でも、デスのもう興奮してるぜ」
下半身を隠す衣服がなくなると、高揚を示しているものが露になる。
プリンスは、ためらうことなくデスのそれをくわえこんだ。

「あぁっ・・・!」
デスはとたんに喘ぎ、吐息を漏らす。
始めての感覚に、その身はうち震えていた。
嫌悪感もなく、欲望のままにプリンスはデスのものをなぶっていく。
「あ、ぁ、もう、止めろよ・・・っ」
プリンスは聞く耳持たず、デスの全てを自分の口の中へ収める。
そして、欲望を吐き出させるように、先端から根本まで、強く吸い上げた。

「あっ、は、う、ああ・・・!」
デスがひときわ高い声を発したとたん、溜まりきった欲が放たれる。
淫猥な液は全て口内に注がれ、プリンスは口を離した。
苦々しい味に顔をしかめ、飲み込むことはできずに掌へ出す。
独特な匂いもしたけれど、嫌な気分ではなかった。
やはり、これがデスのものだからだと、プリンスは自覚していた。


デスはぐったりとし、大きく息を吐く。
口の中に味の余韻を感じていると、プリンスの下肢は一気に昂った。
デスは達しても、プリンスはまだ満足できてはいない。
「お前、早すぎなんだよっ。オレは、まだ満足してないんだ・・・!」
プリンスは、まだ力が入らないデスをうつ伏せにする。
そして、デスの窪みへ指を埋めた。

「う、ああっ・・・」
達したばかりの体は敏感になっていて、デスはびくびくと反応する。
その中はだいぶ温かくて、プリンスは指を奥まで進めていった。
手には液が絡んでいて、抵抗もなく入っていく。
窪みが反応して、たまにプリンスの指を締めるけれど、その感触も気持ち良かった。
一本だけでは解しきれないと、二本目を入れる。

「あ、あ・・・っ、何てとこに、触ってんだよ・・・っ」
「だって、緩ませておかないと痛い」
プリンスは、デスの奥で指を上下に動かす。
そのとき、弱い所に触れたのか、デスが震えた。

「あぁ、う・・・この、ド変態・・・っ!」
「ド変態だろうが何だろうが構わない。それで、デスに触れるんならそれでいい・・・」
高揚感が先立って、もう抑制なんてしていられない。
指が抵抗なく動くようになり、いやらしい液の感触がしてきたところで、プリンスは指を抜いた。


刺激が止み、デスは息を落ち着けようとする。
プリンスは衣服を脱ぎ、昂ぶりきった自分のものを露わにする。
気を落ち着ける間も与えず、それをデスの窪みへと触れさせ、中へ押し進めた。

「ああぁっ・・・!」
あまりの圧迫感に、デスは逃れようと身をよじる。
ここまできて行為を止められるはずがなく、プリンスはデスの肩を掴んでその場に留めさせた。
プリンスが自分のものを進めていくと、抵抗しようとして中が収縮する。
締め付けられる感覚にますます高揚して、動きが止まらない。
デスは悦楽と痛みを同時に感じているのか、息が荒々しく、目が虚ろになってきている。
プリンスのものは徐々に進められてゆき、とうとうデスと下腹部が触れ合った。

「は・・・デスの中、熱い」
「う、あ・・・へ、んたい・・・」
「さっきからそればっかりだな・・・でも、お前の中、もうにゅるにゅるだ」
プリンスを留めている個所は、身を守ろうとしっとりと濡れている。
それは、痛みよりも悦を感じている証拠だった。
プリンスは、ゆっくりと自身を動かし始める。
少し身を引いて、また押し進めると、デスは甘い声で喘いだ。
往復するたびに締め付けが強くなって、ますます欲望が増す。

「っ・・・さっきしたばっかりなのに、お前のここ、また固くなってる」
プリンスは片手を伸ばし、デスの前にも触れる。
新たな刺激を受け、それは完全に起ちきっていた。
「は、あ、やめ・・・」
「何言ってんだよ・・・もう、堪え切れないくせに」
デスのものを包んだ掌を前後に動かして、しきりに擦る。
同時に、中に入っている自身も止めず、最奥まで突き上げた。

「あ、あ、や、プリンス・・・っ、ああ・・・!」
高い声で名前を呼び、デスの体が跳ねる。
生温かな白濁を吐精した瞬間、窪みはしきりに収縮し、プリンスを圧迫していた。

一気に強まった圧迫感に、プリンスも甘い声を漏らす。
そして、最奥に留まっているものから、熱い欲が解放されていた。
決して外に漏れ出さないよう、白濁は全てデスの中へと注ぎ込まれる。
粘液質で淫猥な感触を、デスは虚ろな目をして受け入れていた。




欲がおさまり、プリンスは慎重にデスの中から身を引く。
途中で、引き留められるように圧迫されたけれど、また押し進めることはしなかった。
自分の手にデスの液が絡んでいることも厭わず、隣に寝転がる。
「デス・・・これでも、証明にならないか?卒業してからも、傍にいるって・・・」
「う・・・ならないって言ったら、どうせ、もっと変態みたいなことするんだろ・・・。
わかったよ、信じてやるよ、離れ離れにならないってこと・・・」
今更恥ずかしくなったのか、デスはふいとそっぽを向く。
そんな様子が愛おしくて、プリンスはデスを抱き寄せた。

「・・・それにしても・・・何か中が気持ち悪いんだけど、腹壊したらどうしてくれんだ・・・」
「そのときは、つきっきりで看病してやるよ」
「っ・・・」
真顔で答えられて、デスは何も言えなくなる。
けれど、尻尾だけは、甘えるようにプリンスにまわされていた。
学校で会えなくなったとしても、愛しいと思う気持ちは変わらない。
絶対に疎遠にはさせないと、お互いは誓っていた。



―後書き―
読んでいただきありがとうございました!
デスとの発禁が書けて満々満足。タルタロス・ドリームで何回見直したかわかりません(*´Д`)
次は、死神先生の番になります。